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FT-817ND内蔵リチウムイオン電池の開発


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FT-817へバッテリーを装着する際の注意

 






バッテリーの絶縁処理とFT-817へのバッテリーパックの装着

FT-817にバッテリーを装着する前に、絶縁処理(電池保護テープの巻き方)、運用上の注意事項について

FT-817とバッテリーパックの絶縁 
FT-817ND 付属バッテリーケース(絶縁フィルムに注目)

 左の写真をご覧ください。FT-817を購入した際に付属している乾電池ケースです。右側に見える黒いプラスチックフィルムは何の為にあるのかご存じですか。よく目にする電池を取り出す時に引っ張るベロではありません。

単3型アルカリ電池とニッケル水素充電池
 アルカリ電池(上)は外装が正極、Ni-MH充電池(下)は外装が負極になっていますが、どちらも薄いフィルムで絶縁されています。実はFT-817に電池ケースがもぐり込む部分の角(FT-817ボディ切り口)で電池の絶縁フィルムが切れる可能性があるのです。そこで短絡防止のためベロの存在意義があります。

 ここが、FT-817にとっては一番重要な点です。バッテリーパックは、3.7Vのリチウムイオン電池が3本直列になっています。コネクタには11.1Vが出ていますが、ここは絶縁されていますので通常は問題ありません。もし、バッテリーパックが絶縁されていなければ、GND、+3.7V、+7.4V、+11.1Vのどれかが、FT-817のケースと触れる可能性があります。

焼損したFT-817ND受信側プリント基板(表面)事故で焼損したFT-817ND受信側プリント基板(裏面)

 バッテリパックのコネクタがFT-817に接続されていなければ、問題はない(最悪でもバッテリーパックがショートするだけ)のですが、コネクタが接続された時には、恐ろしいことが起こります。

 仮に電池の+3.7Vのレベルをもつ部分が、FT-817のケースに触れたとします。一瞬のうちに電源ラインのマイナス側とケースの間に数アンペアが流れ、FT-817のプリント基板配線の一部が焼損します。GND以外の他の電位の部分が触れても同様の事が起きるでしょう。電源ラインは複層基板の内側にありますので修理は困難です。
 それ故に、全てのバッテリーパックは、FT-817の筐体に触れないように、しっかり絶縁することが大切なのです。

バッテリーパックの絶縁処理

FT-817内蔵リチウムイオンバッテリーをポリエステルテープで絶遠する方法1

<Step1>バッテリーパック側面(15mm幅)にテープを巻きます。テープの巻き始めと巻き終わりは、保護基板の反対側とします。幅19mmのテープを使用した場合、2mmが両脇にはみ出しますが、これを平面部に折り曲げ密着させます。

FT-817内蔵リチウムイオンバッテリーをポリエステルテープで絶遠する方法(周囲を絶縁)
<Step2>幅19mmのテープを使用した場合、2mmが両脇にはみ出しますが、これを平面部に折り曲げ密着させます。
FT-817内蔵リチウムイオンバッテリーをポリエステルテープで絶遠する方法(平面部を絶縁)

<Step3>幅19mmのテープを使用した場合、平面部全体を3すじに分けて隙間の生じないようにテープで覆います。テープの巻き始めと巻き終わりは、保護基板の反対側とします。
 幅広のテープがあれば手間が省けます。

FT-817内蔵リチウムイオンバッテリーをポリエステルテープで絶遠して完成FT-817に実装した、自作リチウムイオン電池パック

<処理のツボ>電池の厚み方向は、しっかり保護しながらも、できるだけ厚みを増加させないようにします。テープの巻き始めと巻き終わりは、バッテリー側面(保護基板の反対側)とするのも厚みを増加させないための配慮です。

【テープ推奨品】薄く・強く・耐熱性に優れたテープを選択しました。
①寺岡製作所ポリエステルフィルム粘着テープ No.631S #25 青
  (19mm 幅、0.05mm厚、30m長 参考価格194 円)
②寺岡製作所ポリエステルフィルム粘着テープ NO.630F #25 青
  (30mm 幅、0.055mm 厚、30m 価格498 円) ※他の幅もあります

電池ケースの蓋が閉めにくい時は 

FT-817NDに自作リチウムイオン電池パックを収納してふたを閉めたところ
 電池ケースの蓋を閉める時、若干コツがいります。バッテリーの厚みが収納できる限界だからです。このため次の写真のように、ゴム板を外すことで蓋が閉めやすくなります。
FT-817ND電池収納部の蓋

 左はFT-817オリジナルの状態、右は蓋に貼られている3枚のクッション材を取り除いた状態です。最初は、中央の薄いゴム板のみ外してください。それで蓋が閉まれば他は外さなくても済みます。外したゴム板は、はく離紙をつけて、ポリ袋に保存しておけば、元の状態に戻すことができます。

FT-817NDに自作リチウムイオン電池パックを収納してふたを閉めたところ

 !(^^)!

これで、ハイパワーも楽しめて、FNB-85の3倍近くの時間、FT-817を運用することが可能になります。

 
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【Tips】

 小型であることと同時に、移動運用で使用するバッテリーである事から堅牢な電源に仕上げることにも留意しています。