FT-818用 外部リチウムイオン電源装置の仕様を考える
(1)価格低減と軽量化のためLi-ion電池構成は3直列12.5V~10Vとする。 【理由】FT-818/817は、電圧が13.8Vより低下してもそれほどRF出力が影響を受けないので13.8Vにはこだわらない。
(2)汎用性のある急速充電器を採用する。その結果FLB-86にも使用可能かつ急速充電にも対応となる。
(3)10A程度の出力電流が得られるため、RF30W出力のリニアアンプや20Wクラスのモービル機も使用可能になる。
(4)一般に使用されるバッテリー残量計ではなく、バッテリー電圧と電流を直接モニターできるようにする。
外部電源電圧とFT-817NDのRF出力特性
【テスト機構成】FT-817ND(2008年),
内部電池 取り外し、
設定:430MHz FM,受信,SquON,SP無音,CHG無
測定:817外部電源端子(TektronixDMM4050)
50Ωダミー接続DiamondSX-600 パワーメータ
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FT-817NDのRF出力が電源電圧によってどのように変化するか調べました。すると電源電圧11Vまでは5W以上出ています。9Vでも4W近くのRF出力が確保できています。つまりハイパワー設定で電源電圧が低下しインジケータが点滅しても実際はハイパワーがキープされているということです。下のグラフはデジタル簡易無線機(アルインコのDR-DPM60の電源電圧ーRF出力特性です。こちらは5W機ですが、実測では13.8Vで4W、10Vでは1.5W近くまで低下していました。 |
外部電源から13.8Vを供給し送信状態での電流を調べました
817設定:スケルチON,SP無音状態,SSB送信時シングルトーン入力
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13.8V供給 |
受信(mA) |
L1送信 |
L2 |
L3 |
High |
430MHz FM |
343 |
1030 |
1200 |
1565 |
2070 |
144MHz FM |
353 |
935 |
1070 |
1365 |
1785 |
50MHz FM |
353 |
948 |
1127 |
1485 |
1800 |
21MHz SSB |
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1900 |
3.5MHz SSB |
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1810 |
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30WリニアアンプDAIWA LA-2035Rを駆動
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写真はTH-D74からパワーM(2W)でリニアをドライブし出力20W越えを得ている試作機です。これならバックパックに入れた徒歩移動でもAPRSビーコンが十分届くでしょう!リニアの駆動電圧12.2V電流は3.14Aです。この試作機はノンDCコンで12.5Vから10Vを最大10Aまで供給可能です。FT-817/818はメーカ仕様書「外部電源:定格 DC13.8V ± 15%(マイナス接地)(使用可能電圧:DC8.0V ~ 16.0V)」にあるとおり問題なく動作可能ですが、電源仕様が13.8V±15%の機種は、仕様上はバッテリー電圧11.7Vが下限となります。しかし、JE4QGF局のブログにもあるように、FT-857はじめいくつかの機種はRF出力の低下を我慢すれば、10Vくらいでも正常に動作するようです。 |
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【Tips】
本リチウムイオン電源装置は、ハムフェア2018にてご覧いただきました。
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