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過放電のLi-ionバッテリーは本当に使用不能か?


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過放電状態になり充電不能となったリチウムイオン電池は本当に使用できないのか疑問でした。過放電状態になったセルを復活させるのが今回のテーマです。

 






Li-ionバッテリーには保護基板が装着されています

 FT-817用Li-ionバッテリーに私が使用している保護基板のデータシートには、Over-Discharge Threshold Voltage 2.4V , Over-Discharge Release Voltage 2.7V と書かれています。 つまり、この基板が装着されているLi-ionバッテリーパックは、バッテリー保護のため電池電圧が2.4Vを割ると出力を停止します。これを回復させるには出力を開放したのち充電器を接続して2.7V以上になったときCC-CV(定電流-定電圧)充電を開始するよう指示されています。

バッテリーの仕様では

 保護基板が装着されていないか動作しなかった場合、負荷が接続されているとリチウムイオン電池の電圧はどんどん下がっていきます。あるLi-ionバッテリーの仕様書によると、DisCharging End Voltage は2.75Vとなっています。通常保護基板はバッテリーの仕様よりもすこし下まで動作可能に設定しています。(メーカ製のバッテリーパックはこのへんの合わせ込みがしっかりされています。)

過放電状態になったセルの充電について

 また、バッテリーのデータシートには Do not discharge the battery less than 2.0V/cell とされています。よって最悪でも2.0V以下にしてはならない!という事です。さらに、過放電保護回路は最悪でも2.2V/cellで設計しろと書かれています。過放電状態になったバッテリーパックは、セルが規定電圧以下になっているため保護回路の動作により充電モードに移行することはできません。よって、過放電状態のバッテリーを復活させる仕組み(保護基板と充電器に)が装備されていなければバッテリーパックは使用不能となります。これが何とかなるかというのが本件での課題です。

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【Tips】

【注意】 ご紹介した方法が、充電不能となった全てのLi-ionバッテリーに当てはまるものではありませんのでご注意ください。