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久しぶりにターレット(旋盤)とフライスを使った金属加工をやりました。 普通はベンチレース、縦フライスと呼ぶのですが、卓上というには大きいので現場ではターレットって言ってました。
IC-705のハンドグリップを作っている際に、1/4-20のインチネジの頭を厚さ5㎜のアルミ板に沈める必要が出てきました。普通のミリネジならば選択肢はいろいろあるのですが、IC-705で使われているカメラの三脚固定用のネジは1/4-20というインチネジです。カメラ用としては普通に使われているのですが、、、、希望の品が見つからないのです。
【インチネジの標記について】 1/4-20 とは:外径1/4 インチ(6.125mm) 20 回転で1 インチ進むねじ(ユニファイ並目ねじ)です。インチネジは外径の小さいものは#1,#2・・#20などと表すのですが、1/4インチ以上はこのような名称に変わります。1/4-20は、カメラの三脚用のネジとして一般的に使用されています。 購入したネジのうち使えそうなものはステンレス製の3本です。左から3番目の真鍮製のネジは私が作ったネジです。左から2番目は何とか使えたのですが、頭の直径が9mmと大きく、グリップの30mm幅のアルミ板余裕がとれません。また、右端のネジは頭が厚くネジ部が長すぎるのです。
【IC-705ハンドグリップの底面】 写真は、IC-705ハンドグリップの底面です。幅30mmのアルミ板に上2本の4mmの皿ネジで固定しています。IC-705には4つ穴があります。(下に2つ見えます)この2本だけでもIC-705は支えられるのですが見た目の安定感にかけますので、下の三脚用に用意されたネジも使用します。この頭が大きいとグリップの端へ掛かってしまうのです。
【材料の調達】 真鍮素材材は、伸銅品店では基準の太さから太いものや細いものは増値がかかって高くなります。また、注文単位も50kgなどという単位で、長さも2mになりますので、アマチュアが購入するのはDIYショップがいでしょう。(Webだと切り売りと送料で高くなります)私は秋葉原のSS無線の店頭(写真)で購入しました。
【ダイスについて】 写真は上から、タップ回しとタップ(今回使用せず)、そして、手でネジを切るときに使用するダイス回し、1/4-20ダイス(2個)、一番下が、検査で使用した1/4-20既製品ナット、出来上がった1/4-20真鍮ネジです。通常使用しているダイスはダイス回しに装着している外径25mmのモノですが、今回使用したものは、2個ある右側の外径20mmのモノです。左側六角のは予備として購入した平径1インチのダイスです。旋盤でダイスを使用する場合は砲塔にセットするダイスホルダー(動画参照)に装着して使います。
ベンチレースでねじ切り
【ベンチレースでねじ切り】 ベンチレースでねじ切りは、(1)寸法に併せて材料を送ることからはじまります。ストッパーに併せてコレットチャックを締めます。(2)8mmの外径を、バイトで1/4インチに挽きます(3)砲塔のバイトをセットして先端の面取りをします。(4)砲塔にダイスをセットしてねじを切ります。(5)突っ切りバイトで棒材からネジを切り落とします。 (ベンチレースは三つ爪チャックの旋盤とちがって、コレットチャックなので量産向けの旋盤です。ツールもいっぱい使えます)
フライス盤で溝切り
【フライス盤で溝切り】
フライス盤には縦フライスと横フライスがあります。今回使用しているのは、ホビーユースの小型縦フライス盤です。この程度なら、ボール盤でもできそうですが、エンドミル(刃)の回転数と軸安定性が違います。
フライス盤のテーブルには、芯が出しやすい回転チャックを取り付けてネジを保持しました。 ネジの頭に、5円玉で回せるようにフライス盤で幅2mmの溝を掘ります。
【しかし、インチ標記UNCネジは...】
なんで小口径は、#1,#2・・・で、6mmから上は、分数で 1/4-20、5/16-18、3/8-16・・・なんだ
私なりの答え:アメリカ人は、よく使う分数は覚えていて計算もできるが、1mmのネジを分数で表すと??
(UNC:ユニファイねじ)(UNFウィット ユニファイ細目ねじ というのもあります)