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UV殺菌装置の安価で理想的なモデルの製作の為に ウィルス・細菌対策が日常化する状況に対応すべく大病院で使用されている数百万円以上の製品をモデルに、小規模な病院や店舗での使用を想定して、安全性に配慮し設計しています。
【 素子の分類 】
(1)LED (2)蛍光管 口金で分類すれば 直管タイプとE26/27タイプがあります。LED素子は単体と直管またはE26/27にマウントしたものがあります。 問題は紫外線の波長と放射強度をどう測定するかです。
【 紫外線の波長と出力を測定するには】
光は波長の長い方から700nmまでの赤外領域、700から400nmまでの可視光領域、そして400nm以下の紫外領域に分類されます。さらに400~315nmをUVA領域、315~280nmをUVB領域、280~100nmをUVC領域に分けています。ウィルスや細菌の殺菌にはUVC領域の紫外線が有効とされています。 ここではUVC領域の波長と強度が測定できる装置が必要になります。写真左は可視光からUVA領域の紫外光を含む可視光、写真右はUVCピーク波長230nmの紫外光を UV 分光計 で測定したものです。
【秋月電子の1W紫色(UV)パワーLED】
秋月電子の1W紫色(UV)パワーLEDは、Webページに記載されている通りピーク波長が400nmの品でした。UVAの領域を含んでいるとはいえ、この波長では殺菌力は期待できません。
【秋月電子のピーク波長365nmの紫外線パワーLED】
秋月電子の3W紫外線パワーLEDは、Webページにピーク波長365nmと記載されていますが、測定結果ではピーク波長230nmを示していました。約10cmの距離での測定なので、蛍光管で1m離れた位置でのパワー相当ですが、直近でマスクの消毒には使えそうです。
【秋月電子の1W紫外線パワーLED 405nm】
秋月電子の1W紫外線パワーLEDは、Webページにピーク波長405nmと記載されていますが、測定結果ではピーク波長230nmを示していました。規定電流に点灯させて約10cmの距離での測定です。放射強度は、蛍光管に比べて若干LEDのほうが良いようですが、ほぼW数に比例しているようでした。
レジン硬化用UVライト
レジン硬化用に秋葉原で購入したUVライトです。こちらは波長230nmあたりにピークがありUVレジンも硬化できています。測定は30cmほどの距離で行いました。
20W紫外線蛍光管
今回のウィルス対策のために、玄関わきの部屋に設置した20W紫外線蛍光管です。こちらは波長250nmにピークがあり、オゾンの発生もあります。測定は1mほどの距離で行いました。さずがに3WLEDの10倍ほどのパワーがあります。
E26口金UV蛍光管
この作業をやっていて一番困ったので、この蛍光管が安定して入手できない事でした。中国から輸送された品は100%手元に届きましたが、50%は点灯しない不良品でした。日本国内から発送された品も到着時は動作していても数時間で不良化する品が混じっていました。
ポータブル紫外線殺菌灯・空気清浄機
左は測定器でUVC領域の紫外線が出ていることを確認しました。オゾンの発生が少ないのがスペクトルからも確認できました。人がいる時は、紫外線殺菌空気清浄機として使用し、人がいなくなった時は、覆いを外して室内全体に紫外線を照射して衣服・家具・床などの殺菌が可能です。2つのボタンスイッチで操作はシンプルです。 TVニュースで取り上げている病院用の移動式殺菌装置(キセノン放電管を使った大型機)は6000万円もします。米国製で日本の商社が販売しています。寿命100時間のランプは別売り。値段は聞かない方がいいかも!?
【紫外線殺菌灯に関する参考サイト】
(※1) 照明設計資料 殺菌灯 Panasonic