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FT-857M 50W運用リチウムイオン電源装置の開発


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FT-857DM 50W運用可能なLi-ion電源 の開発記録です(2018/09/24掲載)

 






110Whモデルと150Whモデルの検討

(1)3S3P 18650を 9本使用する 110Whモデル 660g (2台並列運転で220Wh)
(2)3S4P 18650を12本使用する 150Whモデル 810g (2台並列運転で300Wh)

 ※どちらのバッテリーパックも載せることができるように筐体を設計しました。持った感じは(1)が格段に軽い!

110Wモデルそれとも150Wモデル?
 150Whモデル(写真)は、18650が4本並列になっているため内部抵抗が減少、電圧降下が少ないためFT-857Dの50W運用も可能になってきます。1台でも高容量の150WhモデルはFT-857Dの運用が中心の場合は魅力的です。一方、RF送信出力20Wもあれば十分という方は普段の運用には軽い110Whモデルを利用し、コンテストやDXペディション等では2台並列にして使用するという方法も考えられます。

スイッチ形状とコネクタ形状は?

 白いコネクタが電源出力です。右が現行のFT-991AやIC-7600で使用されているコネクタ、左は30W運用を想定したモレックスのコネクタです。左のスイッチは通常のトグルスイッチ、右はロック機構付きのトグルスイッチです。移動運用を考慮すると、輸送中に誤投入のおきないロック付きが良いのですが、通常の使用では引っ張ってONするだけですが、それでも操作が面倒です。

FT-857D側の電源コネクタについて

 制作中のLi-ion電源装置をFT-857Dに装着するためには、FT-857Dに添付されているケーブルを使用するか、新たにケーブルだけを購入する必要があります。いずれにしてもケーブルは100W運用が可能なAWG12ですので、かなり太いのです。そこで50W運用に適した短くて軽量なケーブルを作ることにしました。もう一つ、FT-857Dの電源コネクタの黒いカバーの中には日本語マニュアルには記述されていない機能(写真茶色の配線)が隠されています。

FT-857Dのバッテリー側電源コネクタについて

  アマゾンで購入した某国から送付される「YAESU FT-857D/ FT-897D 6p 6ピン 電源 コネクタ プラグ コード 」(この品名からしておかしい!)というのは、使い物になりませんでした。カスタマーレビューにある通り「ハウジングには問題有りませんが、先の方の言われるようにピンがユルユルです。」ピンを締め付けて細くすることを提案されていましたが、無線機側のピンの損傷を考えるとやめたほうが良いと思いました。この手のコネクタは、頻繁な挿抜に耐えられる設計ではないうえに、修正したピンの入り口は正規のものがラッパ状に広がっているのに対してエッジが出たままになってしまいます。正規品については次ページをご覧ください。

アマゾンで販売されている不良品FT-857Dコネクタについて

 左側はアマゾンで売られている穴径が大きくて使い物にならない物を、中に1.9㎜のドリルを入れて圧着工具で締めなおした品です。これで使っている局もあるようですが、私は使う気になれません!
 正規のピンの圧着にHOZANの汎用圧着工具P-706を使用するのであれば、AWG16ケーブルでは、2.4Lを心線に、2.4Hを軽く被覆にあてると良いようです。

 FT-857D電源 コネクタにある送信出力20W設定機能

FT-857Dの電源コネクタ接続図  日本語マニュアルには記述がない機能があります。英文マニュアルには左のように記述され(注意:857側のジャック側)、BATT SENSEピンをGNDに落とすと送信出力が20Wに設定されるというものです。この機能を確認したところ、、、857をONすると、LCDパネルの照明が点灯後すぐに消え、RF OUT 50W にセットしていても出力は自動的に20Wになり、RF POWER SETでも20W以下での可変になります。受信時の消費電流も0.66Aから0.58Aに減ります。
 
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【Tips】

 電源コネクタのジャンパーによるRF20W設定は、通電状態で電源コネクタが857に接続された時点で検出されるようです。857の電源コネクタを接続した状態で電源そのものを落とした場合は、この20W設定は解除され、再度通電すると通常のパワー設定に戻っていました。再設定するには通電している状態で857電源コネクタを再接続する必要がありました。 毎回、電源投入時に検出されます。