KX3に装着したリチウムイオン電池での運用可能時間
容量が3200mAhの内蔵リチウムイオンバッテリーであることから、可能な事と不可能な事を見極めます。
RF出力と運用可能時間ですが、最新のファームウェアでは、バッテリー電圧10V以上であれば、最大出力10Wが可能となっています。さらに、13.8V以上なら最大RF出力15Wが可能です。しかし、リチウムバッテリー電圧は1セル約3.7V、電圧だけでなく容量も考慮するとKX3の電池室に収められるのは最大3枚従って11.Vとなります。一般にリチウムイオン電池3セル直列での満充電電圧は12.4V 標準で11.1V で、電圧が10Vを割り込むまで、RF出力10Wでの運用が可能なはずです。しかし、もし15W運用を望むのであれば、そのために必要な電圧は13.8Vであり、内蔵リチウムイオンでは15W運用は出来ません。
KX3をリチウムイオン電池で 15W運用したい場合
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KX3でRF出力15Wを実現するには13.8V以上の電源が必要です。しかし、これはKX3の電池室に収めることはできず外部電源となってしまいます。一方、この事はKX3の電池室に収まる大きさという制限が取り払われることになりますので15W出力とともに夜を徹してのコンテストにも耐える大容量電源を手に入れられるという大きなメリットでもあります。(写真はJH1IFZ自作Li-ion電源とKX3)
【外部リチウムイオン電源の仕様】
容量6.7Ah 電圧 13.8V
【KX3の設定】
RF出力15Wにセットし、CW(KEY DOWN) KX3のLCD表示で
PS 13.8V (外部電源電圧) BT 13.8V(電池電圧)
【RF出力と電源電流の測定結果】
電流 SSB・CW最大出力設定(実測) AM最大出力設定(実測)
1.9MHz帯 2.3A 12W(12W)
3.5MHz帯 2.3A 15W(12W) 15W( 4W)
7MHz帯 2.2A 15W(14W) 15W( 4W) SSBシングルトーンで、2.1A 13W
14MHz帯 2.7A 15W(14W) 15W( 4W)
21MHz帯 2.5A 12W(10W) 12W( 3W)
28MHz帯 2.5A 12W(11W) 12W( 3W)
50MHz帯 2.3A 10W( 8W) 10W( 3W)
※電流=MB出力電流=KX3外部電源入力電流 ※出力=SX600+ダミー表示値
【15W運用可能時間】
5時間 + 5W 1時間以上 |
内蔵リチウムイオン電池でKX3は 2時間以上の10W運用が可能です
【KX3内蔵リチウムイオン電池の仕様】
容量3.2Ah 電圧 11.1V
(1)採用するリチウムイオン電池は、”ソミーの部屋”でFT-817用として開発した品です。
(2)http://www.jh1ifz.com/ham/LiIonM00.html に製作方法を紹介しています。
(3)自作の困難な方は、http://6502.jp/ より購入可能です。
(4)このFT-817用Li-ion電池 FLB-85.32 をKX3に収め、変換ケーブルでKX3本体に接続します。
(写真の白いコネクタから赤黒の電線でKX3の電池コネクタに接続)
(5)既存の電池ケースは外し、絶縁のため 0.5mm厚のゴムシートを敷いています。
(6)電池は、KX3の蓋をしっかり閉めるとちょうど動かなくなります。
(7)現在、執筆中です 2016.07.21
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【Tips】
KX3 購入時に 2mユニットをオプションで付加することも可能でしたが、以前2mユニットを装着したKX3を借用した際に性能的に魅力を感じなかったので購入を控えました。もし、144MHzだけでなく430MHzまでカバーしていたら購入したかもしれません。ATUは購入して正解で、チューニングをとると受信時のSが3つ以上あがり、リレーの動作音とともにその効果を強く感じることができます。このあたりはFT-817では得られなかった快感です。 |