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機器組込用 充電式5V電源装置


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 携帯電話・スマートフォンの充電用に市販されているモバイルバッテリー(パワーバンク)は、小電力の電子機器にへの組み込み用電源として最適なことに気づきました。リチウムイオン電池を利用する場合の必須アイテムであるバッテリー保護基板だけでなくリチウムイオン電池充電回路まで備えたパワーバンクは、組込用電源としての利用価値は高いと考えています。(Jan.2017)

 






18650パワーバンクを使った機器組込用電源の概要

照明用バッテリー内蔵測定器写真クリックで拡大

【 機器組込の18650電源 】

 18650パワーバンクは機器の空きスペースを利用して容易に組み込むことができます。パワーバンクには18650リチウムイオンバッテリーの他に保護回路と充電制御回路が内蔵され、さらに3.7Vのバッテリー電圧を5Vに昇圧するDC-DCコンバータも組み込まれているので、5V1Aの電源として利用することが可能です。12Vから5Vへ降圧する3端子レギュレータを加えれば12Vからこのパワーバンクを充電することもできます。

18650用パワーバンクケース写真クリックで拡大

【 パワーバンクケースの利用 】

 左は、市販されている18650用パワーバンクケースで、アマゾンやaitendoで400円(税別)で売られているものです。これも悪くはないのですが、18650リチウムイオン電池もどこかで調達する必要がありますので、どんなに安くても1000円ほどになってしまいます。あ、あとUSBケーブル・・・これは秋月電子で110円だったような。いい点は任意の18650を実装できる点です。18650は2000mAhから3400mAhの容量の品があります。

アウトレットのパワーバンク(リチウムイオンバッテリーユニット)

【 ジャンクのパワーバンク 】

 秋葉原をぶらついていると、Webではお目にかからないジャンク・アウトレット品を見つけることがあります。一つ購入して評価したところ、バッテリー(2000mAhとの表記あり)はほとんど放電仕切っていましたが、マイクロUSBコネクタを挿して充電したところ赤色LEDが点灯、充電電流0.42A、約6時間で充電完了して赤色LED消灯しました。USBコネクタを挿してiPhone6を接続したところ、放電電圧4.87V 1Aで47%から82%まで充電して出力を遮断しました。ケースを開けることが出来なかったのでバッテリーの充電終止電圧や放電停止電圧を確認することはできませんでしたが、正常に動作しているものと思われました。

 

機器に実装するためにUSBケーブルを加工
SX-600内に取り付けた5V出力DCコン SX-600内に取り付けた5V出力DCコン

【 USBプラグの厚みを薄くする

 18650を1本使用するパワーバンクの入出力USBコネクタは、同時に使用されることがないので、ジャックが近接しています。そのため通常のUSBコネクタは写真左のように2本同時に差し込むことができません。そこでカッターナイフでプラグ外装の樹脂を少し削って厚みを薄くすることにより、写真右のように差し込むことが出来るようになります。あとはケーブルの中に赤と黒の線(ほとんどそうなっていると思いますが)を配線することで、5V1Aの電源から充電でき、5V1Aまで取り出すことのできる電源装置になります。

外部から13.8V(12V)でパワーバンクを充電できるようにする

OKI-78SR

【 3端子スイッチングレギュレータの利用 】

 12Vから5Vを得るには、78M05のようなシリーズレギュレータが一般的ですが、3.5Wから7Wほどを熱にするため金属ケースに放熱するか、別途放熱器が必要になります。しかし、スイッチングタイプのレギュレータを使用することでこの放熱問題が回避できます。写真は3端子スイッチングレギュレータ OKI-78SR で左から[入力][GND][出力]だけの配線で12Vから5Vが放熱器なしで得られます。これでパワーバンクは12V から充電できます。OKI-78SR 以外にも秋月電子 LXDC55使用DCDCコンバータキット(5V)なども使えそうですが。(まだ試していません)  

【Tips】

 問題となることといえば、充電と放電が同時に行えない点です。通常、充電制御用ICは、バッテリー電圧検出のため充電中は出力をカットします。充電中も出力が必要であれば多少の電圧降下はありますが、OKI-78SR の出力とパワーバンクの出力をダイオードORすればよいと思います。




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